2002/10/01UP


OBに思う

 角田高の文化祭で著名OBの偉人伝「臥牛雄飛列伝」を開いているとうので、 差し入れを片手にいそいそとでかけてみた。 日経連元会長の大槻文平氏ぐらいしか知識はなかったものの、医学、政治、経済各分野の第一線で活躍した人々の遺品や愛用品などに接し、 角田高の長い歴史と重厚な伝統を痛感させられた◇高校時代、 私が通っていた学校でもことあるごとにOBを引き合いに発破をかけられた。当時、ドラマ化されていた海軍大将井上成美などはその筆頭。 「軍人ながら和平の道を説いたリベラリスト」「小さな英語塾で迎えた晩年」。 断片的な知識しか持ち合わせてはいなかったが、こんな先達が居並ぶ同窓の末席に座れる喜びと誇りを感じたものだった ◇もちろん高校が持つ歴史や輩出した人物が学校の価値を決めるものじゃないし、生徒を格付けする基準になるわけでもない。でも、過去の人物を通じ、 学ぶことで、連綿と続く歴史の一部に自分を位置づけ、自己の可能性を信じる力が生まれてくるのではなかろうか◇近く、角田高は角田女高と統合する。学校の一体性は失われるかもしれないが、 その歴史が閉ざされることは決してない。単純に同窓生は倍増し、 重層した過去が校史をさらに鮮やかに彩ることだろう。そしていつの日か、統合校の卒業生が新しい「雄飛列伝」を飾る日が来ることを期待したい。