2001/12/01UP


ありがとうの心 元気の源

 先日丸森町の方からお電話をいただいた。春先に住民団体の活動を掲載したお礼という。 『記事がきっかけで新しい交流が生まれました』。電話の声が弾んでいる。聞いてみると、記事を読んだ仙台の大学教官が住民活動に関心をもち、ゼミ生を含めた地域住民との交流が始まったという。 大学教官はもう何度も現地に足を運び、地域住民と酒を酌み交わしているようだ。◇『新しい人と知り合い、たくさん面白い話を聞かせてもらっています』。 丁重なお礼の言葉に恐縮した。こんな話を聞くと、自然と気分が高揚してくるのが分かる。どこか知らないところで、記事を媒介に人と人がつながり、地域に刺激を与える。 淡々とした毎日の仕事に意義を与えてくれるのは、こうした読者の反応以上の物はない。お礼なんてとんでもない。「読んでくれてありがとう」と素直に応じたい気持ちになった。 ◇角田支局に赴任して8ヶ月。色々な方から丁寧な励ましや、お礼の手紙をいただいた。取材でお世話になった人だけでなく、「毎日地元のニュースの取材、お疲れ様です」といった一般読者からのものもある。 それらはデスクの引出しの一番上に重ねて置いてある。時々、無造作に選んでそっと広げて読み返す。そして、カメラをつかんで外に出る。足取りは決まって軽い。