2024/11/1UP


選挙よもやま

 拙稿の掲載日は衆院選の投票日。政権与党の自民党自身も混乱する中での選挙戦はどうなることやら。 いわゆる「裏金」事件に起因する一連の問題が争点と言われてしまいがちですが、いやはや次元の低い争点と感じてしまいます。民心無くば立たず、と言われるように政治家に必要なのはまず「信頼」。それを前提にすることができず、建設的な政策論争に至らないことが残念です。 選挙の度に叫ばれる「政治とカネ」「政治改革」。はてさて、いつから言われていることやら…と思い、弊社のデータベースで「政治とカネ」で調べてみました。 システム上の関係で平成以降の記事しか抽出できませんでしたが、主なところでは、1992年の金丸信氏らの「佐川急便事件」。続いて元北海道、沖縄開発庁長官が受託収賄容疑で逮捕された「共和リゾート汚職事件」。後の参院選で「政治改革」が争点とされていたようです。 翌年には、宮城県民なら記憶にある方も多いであろう「ゼネコン汚職」。総選挙の公示直前に発覚しました。 これらの後に政治資金規正法が改正され、パーティー券購入者の公開基準を厳格化(?)し、政党交付金制度も始まりました(企業献金の禁止を名目した制度。だが現在も企業団体献金が続いている)。しかし、問題は続きます。 2004年に日本歯科医師連盟のヤミ献金。06~07年は佐田玄一郎行政改革担当相や松岡利勝農相、赤城徳彦農相らに事務所費を巡る架空計上疑惑などが浮上…。陸山会事件も10年にありました。 続きまして…と行きたいところですが、きりがないのでここまでにします。今年6月に政治資金規正法が改正されましたが、領収書の公開は10年後というなんとも消極的な内容。調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の改革も先送りでした。 聖人君子、清貧であれとも思いません。政治活動に必要な費用は公開して、堂々と受け取ればいいだけです。秘書を雇ったり事務所を借りたり、時には大量のパンフレットを製作・郵送したり―。政治に一定のカネがかかることは理解できます。 政治家は当選しないと政治ができないという意味では、選挙に勝つことが重要です。ただ、目的と手段が入れ替わり、選挙に勝つために政治活動しているようにも映ってしまうことが問題なのではないでしょうか。清き1票は決してカネでは買えないはずのもの。ぜひ、実績や政策内容、イデオロギーで獲得してほしいものですね。
市幹部らにプレゼンする
角田高家庭部の生徒たち(奥)