2024/10/1UP


読書感想文

 支局記者には、通常の取材活動以外の仕事もあります。この時期であれば、小中高生らの読書感想文の審査員。さらに今年は、かくだ田園ホールで開かれた少年の主張仙南地区大会の審査員も経験させていただきました。 大会には8市町の中学生12人が出場し、それぞれが部活動や家族との生活などから感じ学んだことを発表しました。若々しい素直な感性はもちろん、真っすぐで情熱的な主張は、こちらが学ばされる思いでした。 何より驚かされたのは、発表するときの表現力。身ぶり手ぶりに大人顔負けの口調、抑揚…思わず最高点を付けたら、次の登壇者でさらに高得点を付ける必要が出てしまう。そのようなことが続き、私の採点表は書き換えた跡ばかりになってしまいました。 ただ、感心しているだけではいられないのが審査側としてつらいところ。最優秀賞1人を決めなくてならないのですが、審査員5人の評価もさまざま。意見集約に時間を要したのは言うまでもありません。 丸森町の読書感想文の審査も楽しみながらやらせていただいています。約100人の作文を評価するのは決して簡単ではないのですが、同じ書籍の感想でもそれぞれ異なり、興味深く読ませてもらいました。一方で、自分自身が小学生の頃に書いた読書感想文を恥じてしまいます。書籍の後書きで感想文を書くという手抜きをした記憶がありまして…。 子どもたちの渾身の作文に刺激を受けて、先日、久しぶりに本を購入しました。佐賀県の元県議による回顧録で、3年ほど前の書籍になりますが、地方政治の課題などについて丁寧に分かりやすく書かれています。地方議員に政策決定権を与えることや副市長などの三役を議員から選出することなど、地方自治制度に対する提言は考えさせるものがありました。 確かに、地方議会では質疑はしつつも、執行部提案の議案を原案通り可決することが「通常」。議案は、執行部側で十分に精査されているものであると思いますが、議会が首長の追認機関となっているようにも映ります。上記の提案も議員の立法能力向上へ効果的かもしれません。 著者は現状の政治システムそのものに疑問を感じているものでした。根本的な課題に向き合うことは地方政治限らず、普段の仕事においても大切なこと。私自身の仕事のやり方も、きっと同じでいいはずもありません。未来永劫、新聞が残り続けるとは考えにくい時代。個人の業務レベルではなく、より良い地域ニュースの発信の在り方も模索したいですね。あ、私の読書感想文となってしまいました。ご了承下さい。
市幹部らにプレゼンする
角田高家庭部の生徒たち(奥)