2024/4/1UP


未来へのレール

 最近、阿武隈急行に乗車しましたか?久しく乗っていないという方も多いのではないでしょうか。私は月1回程度乗りますが、時間に間に合わず結局車で移動することもままあります。 第三セクター鉄道の阿武急を巡る議論が活発化しています。もともと赤字が常態化していたところに台風19号や新型コロナウイルス、福島沖地震が。赤字は膨らむばかりで、今や鉄路の存続そのものが危ぶまれています。 昨年に市阿武隈急行利用促進協議会が復活し、「あぶきゅう応援団」や「あぶQ・乗りつづけ隊」など市民団体も立ち上がりました。今月20日には合同イベントとなる「あぶきゅう応援フェスタ」をかくだ田園ホールで開催。これまでは個々の組織で活動がなされてきましたが、一体感を持つ方向性になっていくことに期待したいところです。 21日にも角田自治センターで第3回市阿武隈急行利用促進協議会が行われました。行政関係者や住民ら約30人が参加し、強み・魅力や弱み・課題を洗い出し。項目ごとに整理して互いの考えを共有しました。 一連の動きで正直に感じるところは「弱み・課題」が目立ってしまうこと。「運賃が高い」「本数が少ない」「駅が遠い」「駅周辺がさみしい」などなど…いずれの意見も利用者数の減少に伴う悪循環、いかんともしがたい立地条件もあり、改善は容易ではありません。 厚労省の国立社会保障・人口問題研究所によると、2050年の人口は角田市1万6575人、丸森町に至っては4974人と推計されています。さらに15~64歳の生産年齢の割合は角田が42・1%、丸森が33・6%になるとのこと。阿武急の利用者7割が会社員・学生であるため、このままでは間違いなくじり貧となります。観光列車やイベント企画などでの利用促進、グッズ販売などによる本業以外からの収益確保などは、今後さらに必要性を増していくかと思います。しかし、それだけで経営を改善させることはなかなか難しいところです。 大切なのは、この鉄路を通じた角田のグランドデザインを描いていくことと感じます。もし数年~数十年かけて駅周辺の開発・活性化施策を講じることができていれば、「駅まで遠い、さみしい」という課題もなかったかもしれません。結果として人口動態も違ったかもしれません。 旧国鉄丸森線の開通や1988年の全線開通を地域一丸で実現したものの、その熱意と裏腹に利用実態は低調でした。同じ轍を踏むことは許されません。10年、20年後を生きる次世代のために、安心のレールを敷設することが求められています。
第3回角田市阿武隈急行利用促進協議会