2024/2/1UP


農業の未来

 遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。年末年始は数日のお休みをいただきました。しかし、お正月気分もつかの間。つらい元旦となってしまいました。 軽いつまみとお酒を楽しんでいたらスマホに緊急地震速報が。発生直後のテレビに映る石川県の光景に「思ったほど被害はなさそうかな…」と感じていましたが、全くの思い違いでした。東日本大震災の被災地の新聞記者として、楽観的、甘い考えを少しでも抱いてしまったことを恥じています。被災地の一日も早い復旧を祈るばかりです。 緊急地震速報はこの数年間で幾度かが鳴った記憶があります。非常にドキッとさせられる音ですが、皆さまは鳴ったときにどうしていますか。瞬時にテーブルの下に潜るなどの安全対策を取れる方は決して多くないかもしれません。実際、私は今回、揺れが来るのを椅子に座ったままボケッとしていました。お酒が入っていたからとはいえ、防災に対する日々の意識を改めていかないといけませんね。 先日、弊紙において丸森町の一部で井戸水や沢水が渇水しているとの記事を書きました。昨夏の記録的な暑さも原因の一つとみられています。今冬も雪がほとんど降っていません。恐ろしいのは、この天候・気象が次第に通常になっていく可能性があること。毎年のように大きな地震があるように、昨今は異常気象が当たり間になっています。 角田でも昨夏の酷暑により、農作物が甚大な被害を受けました。高齢化、人口減、なり手不足の状況を鑑みれば、安定的に生活を営める環境と整えていかないと将来はさらに先細ってしまいかねないと感じる中、少し気になる動きがありました。1月1日に誕生した「株式会社舘島田ファームDero」です。 同社はかつての舘島田生産組合。農事組合法人から組織変更し、20日に角田市内で設立披露・第1回株主総会がありました。インボイス制度により農事組合法人としてのメリットが薄まったことが背景にありますが、迅速な事業の意思決定や安定的な給与支給が期待されます。 例えば暑さに強い作物の生産へのシフトなどもスピーディーにできるかもしれません。これまでにない事業展開も可能になるかもしれません。角田から先進的な取り組み、未来の農業のモデルケースとなる存在が出てくることを楽しみにしています。
株式会社として生まれ変わった
「舘島田ファームDero」の関係者ら