2024/1/1UP


車社会

 京都の清水寺で毎年恒例となっている今年の漢字は「税」。防衛増税議論やインボイス制度の導入、個人的には酒税の増税も記憶に新しいところ。とはいえ、なんとも楽しくない文字に、社会の閉塞感が映し出されている気がします。 そして、人々が増税に辟易するなかで発覚した政治資金パーティーを巡る裏金疑惑。模範となるべき「選良」がこのありさまでは、納得できる政策も納得できなくなります。仮に他意がないとしても(考えにくいですが)、自身の1000万円単位の政治資金を把握できていないのであれば、億や兆単位の仕事は避けていただきたいもの。いずれにせよ、表に出せないカネ集めに奔走する姿は政治家ではなく「政治屋」。ノブレス・オブリージュ(身分の高さに応じた社会的な責任)の精神を求めるのは難しそうです。  暗い話ばかりがはびこる師走ですが、ちょっとだけ楽しい話題を。角田の子どもたち(大人も?)待望のマクドナルドがオープンしました。そこで少しながら変化を感じたのは、若い人を中心に歩く姿が見られたことです。 思い出したのは、市郷土資料館から先日刊行された「写真集 昭和の角田Ⅰ」。多くの人々が街に繰り出す光景の写真が印象的で、人が出歩くことが地域に活力をもたらすと改めて感じています。  弊社の事務所は市の中心部にありますが、日中でも出歩いている人はちらほらといった具合。暗くなれば、人とすれ違うことはほとんどありません。かくいう私も歩いて数分のスーパーに車で行ってしまうのですが…。 もちろん、地域性を考えれば車は不可欠な存在です。しかし、家と職場、家とスーパーの往復では、地元の商店や飲食店の活力が失われていくのは必至です。とあるドイツでは一部市街地への車乗り入れを禁止している地域もあると聞きます。現実的な手段にはなり得ないかもしれませんが、生活における車移動の割合を地域全体で下げていくことを考えるのは決して悪くないのではと思います。 「街ブラ」する人が増えれば車移動ではなく、公共交通機関を使う人も増えるかもしれません。もしかしたら阿武急の経営改善にもつながるかもしれません。と、ここまで書いて気付きましたが、結局少し暗い話になってしまったような。申し訳ございません。 今年も一年間、拙文にお付き合いいただきありがとうございました。2024年も引き続きよろしくお願いいたします。
角田初のマクドナルド。
若い人たちが散歩がてら立ち寄ると
街も活気づくのでは。