2023/11/1UP


プロレス

 今月9日に市総合体育館で開催されたプロレス大会。角田市出身の双子レスラー斉藤ブラザーズがベルトを賭けた白熱した試合を見せました。2人は藤尾小、枝野中の出身。190センチを超える体格から繰り出される技は迫力満点です。これまで、ほとんどプロレスを見たことがなかったのですが、すっかり魅了されてしまいました。  プロレスは日々のトレーニングで磨いた技を披露する一方で、相手の攻撃も真正面から受ける特殊なスポーツ。相手の持ち味を出させないようにしたり、攻撃をかわしたりする他のスポーツに比べて、かなりエンターテイメント的な要素が強くなります。ですが、たとえ「でき試合」だとしても、鍛え上げられた選手たちによる「魅せる試合」に感動するから、長年愛されているのかなと感じています。  しかし、「プロレス」をしていいのはスポーツだけ。地域課題と向き合うときは「ガチンコ」が求められます。 角田市は20日、「阿武隈急行線利用促進協議会」を設立しました。経営悪化を受けて県などでつくる「阿武隈急行線在り方検討会」が今年設置され、路線存続が危惧されていることを受けて11年ぶりに復活した協議会です。  文字通り、阿武急の利用者をいかに増やして路線の存続につなげるかを考える組織なのですが、現状は非常に厳しいといえます。市内の乗降者数は1993年度が89万7822人だったのに比べ、2022年度は41万5219人。メイン駅の角田駅1日当たりの乗降者数も同様に2075人から1002人に減っています。そもそも、人口が減り続け、車移動が常態化している現在、劇的に状況を改善させることは容易ではありません。  同線の維持のために、県や沿線自治体はかなりの負担金を拠出しています。そのため、地域唯一の鉄道となっている角田市と丸森町と、東北線が通る柴田町や県では路線存続に向けた熱量が異なっているとみられます。 協議会で今後どのような意見が出され方向付けされていくかは分かりません。しかし、存続に向けた手札を生み出すことで、検討会においても「路線を残してほしい」と訴えるだけでなく、前向きで発展的な課題解決策につながることを願います。 ガチンコといえば、22日に投開票が行われた県議選。ご存じの通り、現職と新人2人による一騎打ちとなった角田・伊具選挙区は、現職議員の再選となりました。  わずか360票差。当初から接戦とみられ、本当に最後まで結果が分からない選挙でした。新人候補の事務所で、支援者の方が候補者に泣いて謝る姿を見たときに改めて激戦だったのだと感じました。当選議員にはぜひ、台風19号豪雨からの復旧・復興はもちろん、深刻化する人口減少、疲弊する地域に改めて活力が生まれてくるような政治を期待したいですね。
ヒール一転、地元ではヒーロー!