2023/9/1UP


パスポートに思う

 今年のお盆は、お祭りなどの行事を除くと静かな印象でした。新型コロナウイルスが5類に移行したこともあり、角田でも帰省の方々が飲み歩く姿を見ることができると想像していたのですが…。実家に戻るよりも観光地に旅行する人々が多かったのかもしれません。 かくいう私もお盆こそおとなしくしておりましたが、年内に遠出をしようと計画。せっかくならば海外も視野に―と想像を膨らませていたら、パスポートの有効期限切れに気付きました。 パスポートを新規取得するために県庁などに出向く必要があり「面倒だし、お金もかかるなぁ」と落胆していたのですが、実は宮城ではマイナンバーカードでオンライン申請ができることが判明(受け取りは窓口に行く必要があり、もちろん費用もかかります)。さっそくスマートフォンで申請をしました。確かにスピーディーで簡単。これは便利だと思っていたところ、戸籍謄本だけは郵送が必要とのこと。なんだか、政府のデジタル化のやりきれなさを感じてしまいました。 マイナンバーカードに記録されているのは、氏名や住所などの基本情報がベース。プライバシー性が高い情報は記録されていないので、戸籍謄本を証明する必要があるのはやむを得ないのだろうと思います。 ただ、今回の、コンビニで証明書を取得して郵送、というアナログ手順を挟むことへのやるせなさたるや。そもそも「これでオンライン申請と言えるのか?」とさえ思えてきます。オンラインならば、写真やPDFの添付で良いのでは、との考えてしまうのは浅はかなのでしょうか。どうしても必要ならば、受け取り時に提出させる方法もあるかと思います。 とはいえ無事に申請手続きが完了。パスポートの受け取り日を迎え、行政サービスも少しずつ改善やアップデートがなされていくものだろう、などと考えていました。県庁に到着し、収入印紙を購入。窓口で番号札を発券して、しばらくしてようやく順番が回ってきました。担当者から収入印紙を貼り付ける紙を渡されたので、さっそく印紙を貼ろうとしたら、「あちらで貼り付けて、もう一度番号札を発券してください」。 思わず「えっ」と口にしてしまいました。用紙を受け取るために並んでいたと思うと、これまたやるせない。その用紙もオンラインで印刷することができれば、2回も同じように順番待ちをしなくて済むのに…。いかんともしがたい手続き上の理由があると信じたいものです。 私はオールドメディアの最たる存在の新聞社所属。弊社においても無駄な作業の削減やオンライン化が進んでいるかと問われると、弱いところがあります。先ず隗より始めよ。少しずつでも変化をもたらすことが報道の質の向上につながるはず、とすっかり変わってしまった自分のパスポート写真を前に感じています。