2023/7/1UP


4年間の重み

 市内を動いていると、とある看板を見かけることが増えた気がします。顔写真に大きな名前。そう、9月の角田市議選に向けた動きです。  前回選挙では定数16に対して17人が出馬しました。今回はどのようになるかはまだ分かりませんが、立候補を予定する複数の新人がいるとの話も聞きます。どうやら無投票という残念なパターンは避けられそう。議員のなり手不足が話題になる中でとても前向きな材料のように思います。  2019年の台風災害や新型コロナウイルス、物価高…4年前の選挙の後、社会は大きく変わりました。そして、個々人でも仕事や家庭環境、考え方、体調などで大きく変化した方も多くいらっしゃるかと思います。そのような中、政治や行政に対して不満を抱くこともあれば、助けられたこともあったかもしれません。  角田市の人口は間もなく2万7000人を切る状況です。前回の投票率は約58%。昨今の低投票率の流れもあり、近隣地域と比較して特段低いわけではありません。ですが、当時の有権者は2万4698人なので、1万人近くの有権者が票を投じていない計算です。1000票で上位当選し、数票・数十票で結果が変わる世界なのに、です。  選挙は、議員にとって市井の人々からの通信簿。そして有権者にとっては貴重な意見表明の場となります。なかなか議員の活動というのは普段の生活で見えにくいところもあるので、評価することは簡単ではありません。それが今の投票率につながっているような気がします。 空き家や空き店舗が目立つ街並みをどうするのか、少子高齢化が進む中でどう地域を維持していくのか、何か町おこしの妙案はないのか、交通インフラの未来どうなるのか、1次産業はどう支えていくのか―。角田に住んでから間もない身ですが、課題は少なくないと感じます。  日進月歩で技術革新が進み、変化するデジタル社会の現代において、議員任期の4年間はとても長い時間です。昭和や平成の時代よりも相対的に担う責任は重くなっていると考えられます。次に選挙がある2027年はどんな社会になっているのか。それぞれが想像力を膨らませることが大切なのかもしれません。