2023/5/1UP


校舎のその後

 支局に赴任して2年目となりました。あれをやろう、これもやろうと考えていたのに気付けば1年。時の流れの早さを少し怖く感じます。忙しいと自分に言い訳をしてきたこと、反省してしまいます。 そんな私を横目に、社会は大きく変わりました。推奨されていたマスクの着用は、先月から個人の判断にゆだねられました。そして、あらゆるイベントや祭も「通常開催」に戻りつつあります。支局記者として本来の地域の姿を見ることができると思うとありがたい限りです。 昨年継続的に取材してきた枝野小と藤尾小も、4月に統合して金津小となりました。きっと子どもたちはすぐに仲良くなって、どっちの学校出身なのかは問題ではなくなると思います。一方で、個人的に気になるのは空き校舎の活用策です。 隣町の丸森では昨年度、一気に6つの校舎が空きました。各地区で活用策について検討を進めており(地区によって進行具合はまちまちのようですが)、野菜栽培やeゲーム施設化、美術館、カラオケ…などさまざまな可能性が模索されています。町も外部コーディネーターを導入して検討を後押ししています。 弊紙で新たにスタートした連載「廃校ルネサンス」では、体育館での野菜栽培(東松島市)や文化拠点化(西会津町)が紹介されています。グランピング施設として人気を博している地域もあるとテレビニュースで見ました。 とはいえ、学校は巨大な施設。内装も一般的な建物とは異なり、それらのネックを一度に解決する答えはなかなか出てこないと思います。私の堅い頭ではたいしたアイデアは浮かびませんが、原稿を書きながらいわき市のスパリゾートハワイアンズを思い出しました。最初は懐疑的な意見や冷ややかな目も少なくなかったハワイアンズ。空き校舎問題とは異なるかもしれませんが、新たな地域の魅力作りという意味では通ずるものがある気がします。 何か角田らしいことを始めるのもいいかもしれません。ですが、今の角田にないもの、足りないことを補う存在が生まれると面白いと思います。人口減や高齢化が進む中で、地域を大きく変えるチャンスと捉えたいですね。