2023/4/1UP
新規事業の壁
「この事業は出来試合なのか」「予算が示されていない」
10日に角田市役所であった「台山公園の継続的イベントによる活用」をテーマに行われたワークショップ。参加した市民からは不満の声が噴出しました。ワークショップは計4回開催されましたが、大きな進展は見られず、不完全燃焼で終わった形に。果たしてブラッシュアップして実現化に向けて動くことができるのか…。
ワークショップは、市が本年度立ち上げた地域活性化にむけたイベントなどに対して最大100万円を補助する「市民提案型まちづくり事業」の一環で開催されました。市民による手挙げ方式で、初回となる今回は台山公園の活用策について提案されました。
台山公園におけるイベントといえば、宇宙っ子まつりやサウンドフェスティバルなどが思い浮かびます。が、年間を通して行事が目白押しとは言えないので、さらなる活用方法を模索することは有意義だと個人的には思います。それだけに、今回のワークショップによって魅力的な企画が生まれてくることに期待したいところでした。
しかし、結果は先述した通り。ワークショップでは、提案者とファシリテーターが事業について説明・進行していたのですが、参加した市民から寄せられる疑問に明確に答えることが出来ず、溝は深まるばかり。私としても提案者側の準備不足、企画内容の生煮え感が否めませんでした。
ただ、行政側にも少なからず責任があるようにも思います。ワークショップはいずれも金曜日の午後6時半から8時半、希望者20人程度が仕事終わりに駆け付けていました。限られた時間と回数のワークショップを有意義な時間にするため、ある程度スムーズな進行や、企画内容の深化に向けた下準備や調整が求められます。しかし、今回のワークショップではそのような姿勢が感じられませんでした。
もちろん主体は提案者です。とはいえ、市民が貴重な時間を割いて議論する場であるのであれば、行政も提案者とすりあわせをしてワークショップに臨むべきだったのでは?と思います。疑問が寄せられた予算関係やイベント組織形態はもちろんのこと、イベントの趣旨・テーマそのものについても歯切れの悪い回答ばかり。もはや建設的な議論の場を目指せる状況ではありませんでした。
市民提案型の事業なので、行政が深く関わりすぎたり口をはさみすぎたりすることは避けるべきなので距離感に難しさはあります。担当課のまちづくり政策課も運営に反省しており、次年度では改善したいと話しています。また、今回の事業で提案を受けたのが今回の1件のみだったとのこと。初年度で何かしら事業実績を生み出したいという焦りもあったかもしれません。
市民の思いが具現化できるかもしれないこの事業そのものは魅力的な方針と思います。今回の提案が成功するか否かは別として、数多くの提案がなされることで画期的なアイデアが出てくると期待したいところです。いずれあやめかかきつばた。そんな状況になるといいですね。