2020/12/1UP


秋を糧に

 晴れ晴れと秋空が広がった11月14、15日(土、日曜)、立て続けに3つの「秋」を取材しました。勉強の秋、収穫の秋、スポーツの秋です。それらを通じて、冬を乗り越える力、春への希望のようなものを感じました。どういうことなのか、一つずつ振り返りながら説明します。  まずは勉強の秋。角田市東根小で14日、学習発表会がありました。本年度限りで閉校となるので最後の発表会です。夢や未来をテーマにした同校オリジナル曲「夢の冒険者」を全校児童が歌い、5、6年生7人は「東根あぶくま太鼓」を勇ましく演奏しました。寂しさを感じさせず、明るい表情で伸び伸び、はきはきと取り組んでいた姿が印象に残っています。閉校の経験を成長へのステップにしようとの気持ちが感じ取れました。冬の学びやでも寂しさに負けず、いろいろなことに取り組むのでしょう。春に統合先の小学校や中学校に移っても、東根小で学んだことはきっと生かせると思います。  続いて収穫の秋。角田市島田の舘島田生産組合が14、15の両日、地元の農地で「ねぎまつり」を開きました。ネギの収穫を体験し、1袋1,000円で詰め放題。畑のネギが残りわずかになっても来場者が途切れない盛況ぶりでした。催し告知のチラシが市外にも広く配布された効果があったようです。角田産のネギはやわらかく甘みがあるのが特徴と組合の代表理事から聞きました。今年のあんふぃに7月号のこの欄で「市内のある農家は『角田は農産物の種類が豊富だけど、代表的なものがない』と話していました」と書きましたが、それでもPRが奏功すれば一気に注目が集まることを、ねぎまつりが示したのではないでしょうか。味わいの評判もより広がると期待できます。来年春以降、角田の多様な野菜にスポットライトが当たることを期待します。  そしてスポーツの秋。15日に第29回河北新報角田専売所杯少年野球大会が開かれ、角田と丸森の計6チームが熱戦を展開しました。ねぎまつりの取材に途中向かったので全試合は見ていませんが、桜ドラゴンズが横倉少年野球クラブに最終回で2点差を追い付き、さらにサヨナラ勝利を収めた場面には間に合いました。これで桜ドラゴンズは優勝を決めました。諦めずに終盤まで粘れるのは底力の表れでしょう。しかしスポーツの世界では、歓喜に沸く者がいれば、その陰に、悔しさで唇をかむ者がいます。土壇場での逆転負けとなればなおさらです。サヨナラの走者がホームを踏んだ直後、横倉少年野球クラブには涙をこらえるようにうつむいた選手もいました。全力で試合に臨んでいた姿勢が伝わり、胸が熱くなりました。「悔しい秋」の経験は、いつか力に変わると信じます。


東根小の学習発表会で披露された「東根あぶくま太鼓」

「ねぎまつり」で収穫体験を楽しむ来場者