2018/4/1UP


地域創生を

 森友学園を巡る財務省の文書書き換え問題に安倍政権が揺れていますが、政権の目玉の一つである地方創生に、以前から違和感を抱いてきました。竹下内閣の「ふるさと創生」のリメイクのイメージが強いからです。1億円をばらまいた当時と違って財政は厳しさを増しており、国が交付金として内容を査定します。各自治体は国庫獲得のため、しのぎを削らなければなりません。もちろん、金をぽんと「平等に」寄越されたふるさと創生よりは健全だと思います。ただ、ふるさと創生から30年間、地方分権が叫ばれ、自治体合併の推進もありながら、「昔ながらの政治で相変わらず」との印象を強く持ちます。個人的に最も違和感を覚えるのが「地方」のキーワード。国・中央に対する地方・周縁という発想が基本的に変わっていないことを示しているのでしょう。  角田市の地方創生は「チャレンジ・ミリオン」という協議会組織を軸に検討しています。大きく2つ、①牟宇姫を生かしたまちづくりとブランド化②道の駅と角田中央公園のスポーツ施設の相乗効果による交流人口拡大-がテーマです。協議会は2016年度設置で、交付金は3年間。道の駅開業までこの1年が集大成です。道の駅のハードはほどなく完成しますが、ソフトはどうか?チャレンジ・ミリオンの新商品開発の試作発表会が2月末にありましたが、まだ道半ばです。  市の人口は昨年3万人を割り込み、2040年には2万1200人程度になると推計されます。生産年齢人口(15-64歳)は約1万6700から約1万人に、高齢化率は32%から42%に10ポイント上がると見られます。地区別に、より差が大きくなることが見込まれます。町場はともかく、山間部の人口減と高齢化が加速すると思われます。学校規模適正化の検討も18年度に始まりますが、地域の人口構成、少子化の実態と絡んで論点はさまざまで、議論の進め方とリーダーシップが鍵を握ることになると思います。産業構造も1次産業の就業人口の減少傾向は変わりません。角田の平場の農地集積は仙南でもトップクラスで、農のブランド化も先行してきました。水田農業は比較的条件が整っていますが、担い手の平均年齢は60歳とされ、農業の将来像づくりも正念場です。  現状を踏まえると、地方創生は足元を見つめ直すことからしか成り立ちません。国の金を使うのは財源の方法論だけであって、発想の根本は、地方創生ではなく「地域創生」にすべきでないでしょうか。住民協働をベースにした地域創生をしっかり考える必要があるでしょう。


とくら太鼓


牟宇姫メニューの給食