2017/3/1UP


スマートへの道も一歩から

 角田市が2017年度から、「スマートチャレンジかくだ」事業を展開します。生活習慣病の重症化防止を効率的に図るため、宮城大学と連携協定を結びました。国保加入者のデータを、治療を受けていたけど通院を止めてしまった人など類型化し、保健指導や受診勧奨を効果的に行います。そのアプローチの仕方、効果的な健康づくりの在り方などを、学問的な知見から探る取り組みです。  ためトクカードと交換して、市内で買い物に利用できる「健康ポイント」事業も拡充します。健康ポイントの対象を、ウオーキングや運動教室だけでなく、特定健診や人間ドック、特定保健指導の初回、フィットネスなどの体験、加入時にもポイントが付きます。年齢も今までの40歳以上から20歳以上に広げます。カードをIC化して作業を効率化します。  宮城県はメタボリック症候群の該当者と予備群の人の割合が高く、国でも下から2、3位を争うワーストクラスに低迷しています。その県内でも、角田市は平均を上回っています。2015年度の特定健診でのメタボ該当者の所見率は、角田市が20・1%で宮城県平均は19・7%、全国は16・7%。予備群も含めると角田市31・4、県30・5%、全国27・4%で、いずれも県、全国を上回ります。角田に赴任してから間もなく1年、まだあまりひどく太らずに済んでいますが、米も野菜も肉もおいしく、食事はすすみますし、車でドア・トゥ-・ドアが大半で、運動不足のもとです。自堕落な私とみなさんはお違いでしょうが、ライフスタイルの点で、メタボになりやすい甘い誘惑と環境はあるでしょう。  スマートになるには、まず歩くのが手っ取り早いでしょう。自分も時々、阿武隈川の土手を歩いたり、図書館まで歩いて本を読みに行ったりするようにしていますが、最近は風や雪、仕事を言い訳にしてばかりなので、今年は足腰を鍛えることを心掛けたいと思います。  東プロイセン・ケー二ヒスベルク(現在はロシア・カリー二ングラード)の哲学者カントは散歩が好きで、ひまさえあれば歩いていたようです。散歩中の出合いが、結果的に国連を生んだと言っても、一応間違いではありません。カントが出合ったのは、葬儀屋の看板でした。「永遠の平和(平安)」といったことが書かれていたのですが、カントは「永遠平和のために」という著書をあらわしました。ドイツ、フランス、オーストリアなどが覇権を争う欧州で、近代国家の主権は、何ものも犯せない絶対的な権利でした。カントは国と国の争いを仲裁する国家連合を考えたのです。これが第一次世界大戦後の国際連盟、そして第二次大戦後の国際連合へとつながります。国連はカントの散歩の産物なのです。  「いつやるの?今でしょ!」の予備校講師の林修先生の本を立ち読みしたとき、「東大生(ないし東大に合格する生徒)の多くは歩くのが速い」との逸話が印象に残っています。ぱっぱと歩くと脳細胞が活性化されるのかも?と思い、意味なく早足で歩いています。東大に合格したわけではありませんが、今号が脱稿できたのも歩いたおかげと思うと、何事も一歩が大事とかみしめています。


横倉小・昔の遊び