2014/3/1UP
「孤立」の備え
2週続けて週末を襲った大雪に多くの方が御苦労なされたと思います。角田市の農業施設の倒壊は16棟に上り、丸森町では一時819世帯が「孤立状態」に陥りました。国道4号は宮城・福島県境から岩沼市まで最大約40キロの大渋滞。あらためて自然災害の怖さを痛感させられました。丸森の「孤立」は生活道路が雪でふさがれた状態。山間部は倒木で除雪作業が難航し20日になってようやく解消に至りました。病気やけがで3人が消防ヘリで搬送されましたが、人的被害が少なかったのは幸いです。地域を回り、お年寄りの1人暮らしの多さを感じました。停電と大雪で身動きが取れずに不安な数日間を過ごされたはずですが90代の男性の方は「電気が来るまでは大変だが、まあ何とか大丈夫」と意外と元気な御様子。開拓時代を経験されたからか、動じた気配はありません。ほかの方々も薪や炭で暖を取ったり、蓄えた野菜でしのいだり。昔からの黒電話のある家では電話も通じたそうで、山あいで暮らす人々の強さを感じました。精神的苦労という点では、むしろ予想外の国道の渋滞に巻き込まれた方のほうが大きかったのではないでしょうか。16日夕に白石市の避難所を訪れた御夫婦は、帰省先の釜石市からさいたま市に帰る途中でした。2日間で車は数キロも進まず、食料やトイレを求めて約500メートル離れたコンビニまで歩き、車中で待つだけの状態。「燃料が心配で、いつ動くのか情報も入らず本当に疲れた」と疲労困憊されていました。私も今回の取材中、車1台分除雪された山道でスタックし身動きできなくなってしまいました。携帯スコップで雪をかき分け脱出を試みましたがかなわず、住民の方にトラクターで助けていただきました。「ここは孤立地区なんだから、来ちゃだめだよ」と諭される不始末。多大な御迷惑をおかけし、自身の備えの甘さに恥じ入りました。