2014/2/1UP


裸参りの熱気

 県内で最も過酷と言われる角田のどんと祭裸参り。「いーから来い!」というポスターの誘い文句と、「もう申し込んでおいたから」という目黒所長の優しい?お言葉に導かれ、私も本社販売部の先輩と一緒に参加させていただきました。当日はテレビの取材も入り、商工会館2階の支度室は出発前から熱気にあふれていました。手助けいただいて腹にさらしを巻き、頭に白鉢巻き、腰にしめ縄をつけると気持ちもぐっと引き締まります。寒さをしのぐカイロと足袋の中敷きも仕込み、景気付けのコップ酒をあおって準備万全。商工会の三由青年部長の掛け声で「ヤァーホイホイホイ」と一同気勢を上げ、いざ出発です。勢い込んで外に出たものの、やはり寒さで身が縮みました。常連の方は「昨年は雪が降ってもっとひどかった」との話。雪がないだけありがたいと思い、見よう見まねで鳥追い棒で地面をたたき、掛け声を合わせて歩いていくと、祭りの高揚感からか不思議と寒さも和らいできました。うれしかったのは、道中の各所でいただいたお振る舞いです。地元の方々が用意してくれたお酒や甘酒、そば、豚汁。心尽くしの温かいおもてなしを受け、御神火にあたると凍えた体もひとこごちつき、さあ行こうかと力が湧いてきました。沿道からは多くの見物客が励ましの声をかけてくれます。金刀比羅神社から青麻神社に向かうあたりだったでしょうか。祭りの熱気に居ても立つてもいられなくなったのか、中学生ぐらいの男の子2人が上着を脱ぎ、服を友達に預けて裸参りに加わってきました。元気だなあと感心しつつ、こうした祭りの記憶が地域の伝統として受け継がれていくのかなと思いました。寒さに耐え、2時間半歩いた裸参り。聞きしにまさる厳しさでしたが、商工会館に帰り着いた参加者の表情は一様に晴れ晴れとしていました。中心になって祭りを準備した青年部の方々も達成感に満ちた様子。出発前に「さらしを外した途端に酔いが回るよ」と教えられた通り、寒さと振る舞い酒で頭がぼーっとした状態の中、私も心地よい気持ちに浸りました。