2013/7/1UP


ホタルの里

 6月22日に開かれた「高蔵寺ホタルまつり」の賑わいには驚きました。来場者は1600人。ライトアップされた阿弥陀堂や境内に響くフルート演奏も幻想的な雰囲気を醸していましたが、何より人を引きつける蛍の魅力を実感しました。 旧佐藤家住宅で行われた「ホタルと遊ぼう!」のコーナーは、テーマパークの人気アトラクションと見まがうような長蛇の列。板戸を締め切り、真っ暗にした広間の蚊帳の中では200匹のゲンジボタルが光を放っています。30分近く並んでも中で観察できるのはわずか数分間なのですが、出てきた人々は大人も子どもも、みんな満足げな表情を浮かべていました。 まつりは4年目。「今まで蛍を見たことがないというお客さんもいまして、口コミなのか来場者は年々増えて、今年は特に子どもが昨年の倍近く来てくれた」と西根自治センター長の日下さん。蛍の幼虫と餌のカワニナを放流し、高倉川の環境整備に取り組んできた地元の方々の取り組みが実を結んでいるようです。 川を飛び交う蛍を夢中になって撮影しているうちに午後9時近くなりましたが、その後も参道を上ってくる人々は途絶えませんでした。光を放ち始めるピークは午後8時、午後11時、午前2時と一晩に3回ほどあり、高蔵寺周辺では長くて7月初めまで蛍の観察を楽しめるとのこと。淡い蛍火と山あいの清流に癒やされる空間。本物の観光資源がそこにありました。