2013/5/1UP
『あんふぃに』考
角田に住んで1カ月、ぼちぼち取材に回っていますが、いたるところで「あんふぃに」の力を思い知らされます。先日、小田川のこいのぼり掲揚の連絡をくれたSさんは「回覧板でコピーが回ってきたよ、ふふふ。今度の記者がどんな人かみんな興味があるんだね」。さる会合で御一緒したIさんには「記事が下手でも構わないが、あれだけは一生懸命書け。漢字ばっかり使うなよ」と諭されました。河北新報の本紙以上ともいえる注目度の高さ、ただただ驚きです。
「朗読会で読ませてほしい」と電話をいただいたのは市内の朗読サークル「パンプキン」のYさん。「朗読ですか?」と思わず聞き返しましたが、目の不自由な方に月1回、エッセーや新聞記事などをテープに吹き込んで郵送するボランティア活動を15年来行っているとのこと。あんふぃにの文章は、先々代の上田敬記者(現在は秋田総局勤務)のころから読んでいるそうです。
「新聞記事は硬いけど、あんふぃには軟らかい感じがいいの。角田の人じゃない人が角田を見るのも、ちょっとおもしろい」とYさん。テープを送る相手の方々は主に市内在住の30~50歳代の20数人で、点字を読みこなせない方がほとんどだとか。「身近な町の話題だと、目が見えなくても雰囲気がわかるらしいのね。楽天の試合観戦に行く野球好きの若い子もいるから、スポーツの話題でも何でもいいんですよ」と話されていました。おぼろげながら、何となく読者の方々の興味の対象、読まれるわけがわかってきたように感じます。
20数年続いているというこのコラム。亡くなられた支局の大先輩一迫直文さんの在勤当時は、奥さまが担当されて好評だったとか。歴代の諸先輩を見習って、地域の話題を拾っていきたいと思います。