2013/4/1UP


お世話になります

 はじめまして。4月から河北新報角田支局に赴任する阪本直人と申します。仙台市出身の入社13年目、前任の高田瑞輝記者とは同期入社です。私の前任地はスポーツ部で、2011年5月から約2年間、サッカー取材を担当しました。本社では運動取材歴が長く、他に岩手県の一関支局と宮古支局に約3年間ずつ勤務しました。仲睦まじい3人家族の高田記者に比べ、何かと肩身の狭い37歳の独り身ですが、当支局へ変わらぬご愛顧のほど何とぞよろしくお願いします。  スポーツ部では2年弱、ベガルタ仙台取材班におりました。ご存じのようにチームは一昨年4位、昨年2位と躍進。東日本大震災を経て、選手たちの体を張ったプレーを目の当たりにし、被災地の希望の光になるというチームの強い思いを感じました。  震災後は、多くの選手から「このまま競技を続けていいものか」という戸惑いや悩みを聞きました。私も発生当時は三陸沿岸の宮古支局で取材に当たっており、異動してプロスポーツの取材現場に身を投じた当初、強い違和感を覚えました。多くの方が家族や友人、生活基盤を失った中で、いわば娯楽の領域であるプロスポーツを伝える意義はあるのだろうかと。この2年間のベガルタ取材はその問いに答えを導いてくれました。  河北新報「サポーターの輪」コーナーに寄せられた多くのメッセージ。中でも心に残っている1通があります。一昨年9月、避難所の女川町総合体育館で暮らすご夫婦から届いたメール。ご主人は土地家屋調査士で、自宅兼事務所を津波で流され、従業員の方も1人亡くなりました。そんな状況でも、わずか数畳の居住スペースにフラッグを飾り「チームがあきらめない限り、私たちも頑張れる」と話していました。ベガルタに生きがいを見出すサポーターと、「僕らのプレーを見て、一瞬でも辛さを忘れられる人がいるなら、やるしかない。負ける姿を見せたくない」(菅井直樹選手)という選手たち。両者の思いをつなげることが自分の仕事だと思うようになりました。  さて、今季のベガルタは第3節の柏戦でようやく初勝利。ご当地ゆかりの角田誠選手もまもなくけがから復帰しそうです。私も今後は一サポーターとして応援しつつ、角田市と丸森町の話題を数多く発信していきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。