2010/1/1UP


一年間の通信簿

 河北新報、そしてあんふぃにの読者の皆様、あけましておめでとうございます。角田市で初めての正月を迎えています。 着任してから9カ月間、皆様からいただいた激励やご意見というガソリンで体中を満タンにして、何とか走り続けることが できました。特にあんふぃには河北新報本紙と異なり、日常何気なく考えていることを自由に書き綴っているので、本当に こんなつたない文章に目を通してくれている人がいるのか自分ではよく分からないのですが、反応があるとうれしく思うと 同時に、読者の存在を実感できます。楽しく読んで下さっている方の気持ちを裏切ることのないよう、今年はギアをトップ に入れて走りますので、よろしくお付き合い下さい。皆様が笑顔で1年を過ごせるようお祈りしています。
河北新報角田支局 高田 瑞輝
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
 昨年末、ある組織の忘年会に参加した時のことだ。参加した市民のひとりが2009年1~12月まで河北新報に掲載された 角田の記事を切り抜いて何枚もの模造紙に張り出し、ジャンル別に数えて発表した。「角田の記事は少ない」なんて思われたら どうしよう。そんなことを考えていると気恥ずかしくなってしまったが、自分の仕事を冷静に振り返る機会はなかなかないと 思い、発表に耳を傾けた。彼は「記事の数が自治体の活気のバロメーターになるのでは」という仮説を立てた◆なるほどなあ と思った。取材拠点の有無や人口規模、記者の熱意などにも影響されるので、記事量だけで市町村が元気かどうかを一概にを 論じられないが、確かに街おこしや経済活動、観光PRが盛んだったり、ユニークな人が住んでたりする地域は紙面の登場回数 も多い。新聞を作る立場で考えてみても、「昨日は△○市の話題をたくさん載せたから今日は控えよう」と市町村バランスに 配慮しているわけではなく、連日紙面を賑わせる地域があれば、一方でしばらくの間、記事が載らない地域もある。 アルコールも入っていたため、失礼ながら発表内容を正確に覚えていないが、少なくとも2日に1回は角田の事が載っている 計算だったと記憶している。これに丸森分の記事が加わると、4月以降の自分の仕事量になるわけだ◆学校の終業式で通信簿 をもらった時の気分に似ているのかもしれない。“成績”のよしあしは周囲の評価に任せようと思うが、「記者さんの知らない 角田の良いところ、まだまだあるよ」と背中を押されている気がした。「2010年は市町村別に統計をとろう かと考えています」。発表を終えた彼の口から早くも次の目標が発せられた。1年後はさらに詳細な通信簿になりそうだ。 「角田市は他の市町村より元気がないのか」と言われないよう、いろいろな角田の表情に意識を向けて取材、執筆できる 1年にしたい。