2004/06/01UP
合併論議の途上で
角田市と丸森町の合併協議が本格化している。単純に統治機関を合わせるというのでなく、地域そのものの将来像を描く試みでもあるから、地元にとって大きな話題になるのは確実。影響も大きい。堅苦しい会議取材が苦手でも、地元記者としてこの協議会の傍聴だけは決して外すわけにはいかない。財政問題といった難しい話は抜きにしても、「郷里をどうしたいのか」「地域にどんな夢を描くのか」なんて問題を住民一人ひとりが自問し、考える良い機会にもなっている。◇関連ある数多い会議の中で、個人的に傍聴するのが楽しみなのが「地元議員の取り扱い」を検討する小委員会。合併時に議員を刷新するのか、はたまた続投するのか?。また、議員報酬の多寡の設定は?。そんな問題を論議する中で、地方議員の役割を考え直すような、緊張感あふれる熱論が展開される。「ネットで市民と市長が繋がる時代に、議員が市政とのパイプ役を担う必要はない」「地元議員が不在では地域振興に不安がある」ー。市民代表となる地方議会を巡る論議は、必然的に民主主義の現状を問い直す試みにつながる。地方行政の中で、議会制度を担う選良がいかに評価されているのか、あるいは機能不全を起こしているのか、委員会を飛び交う率直な感想に、時に納得し、時に考えさせられながらメモをとる。◇議員の身分は、合併を巡る大きな課題の一部に過ぎない。それでもこだわるのは、議員そのものが多様な民意の象徴であり、投票という選出行為そのものが住民の市政参加の大事なツールだと信じているからだ。議員個人の資質を指弾するのはたやすい。でも、部外者みたいに文句を言うだけじゃつまらない。行政に関わる願いを、希望を、誰に、どう託すのか、合併を機に考える意味は大きい。◇上記いずれの会議も公開され、傍聴は自由だ。討議内容はホームページにも掲載されている。会場に足を運ぶのが無理なら、ネット上のアクセスでもいい。5日には住民説明会も用意されている。どんな雰囲気なのか、ちょっと顔をのぞかせてみるのもいいかもしれない。