2022/1/1UP


延長再試合

 今年もやはり新型コロナウイルス関連になってしまうのでしょう。あんふぃに12月号に発表するのが恒例(?)となった「角田の流行語」のことです。角田のニュースでたびたび新聞紙上に登場した言葉を選びます。昨年は「マスク」でした。今年は「ワクチン」とさせていただきます。ちなみに本家の「2021ユーキャン新語・流行語大賞」は、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手をたたえる「リアル二刀流/ショータイム」が年間大賞でした。 河北新報の記事データベースで「角田市 ワクチン」と検索すると、角田支局で今年書いた記事は20本ほどありました。接種に向けた自治体の取り組みは他の市町村でも注目を集めましたが、角田では「ワクチン接種推進室を新設」「『角田方式』予約スムーズ」「大規模接種会場利用促す 市長らが通勤客にチラシ配布」など市独自の動きも多かったと思います。 ワクチンの効果でしょうか、秋以降は全国的に感染が収まり、角田でも多くの市民が集まる催しが開かれるようになりました。その一番手が、10月17日に市野球場であった「ドリーム・ベースボール」でしょう。元プロ野球選手チームと市選抜社会人の試合を約600人が観戦しました。名選手たちの現役時代をほうふつとさせるプレーや市選抜メンバーの奮闘ぶりもさることながら、久々のイベントに観衆が湧く光景も印象的でした。 実はこの時、同時間帯に行われていたもう一つの試合もスマートフォンでチェックしていました。プロ野球・北海道日本ハム斎藤祐樹投手の引退登板です。野球ファンなもので、こちらのゲームも気になっていました。2006年夏の甲子園決勝が思い出されます。早稲田実業のエースとして、駒大苫小牧の田中将大投手(現東北楽天)と投げ合い、延長15回でも決着が付かず。斎藤投手は翌日の再試合でも先発登板し、早稲田実業を優勝に導きました。ハンカチで汗をぬぐう斎藤投手の姿が話題となり、「ハンカチ王子」が流行語になりました。 斎藤投手のラストピッチを伝えるスマートフォンの画面から市野球場のグラウンドや観客席に目を移し、ふと、コロナとの「延長再試合」はあるのだろうかと考えました。感染が収束気味であっても「第6波」への警戒は必要ですし、来年はワクチンの3回目接種も始まります。オミクロン株という新たな脅威も現れました。 野球は打って守ります。コロナとの試合は、ワクチンを打ったとしても、手指の消毒など身近な感染対策で守りを固めることが大事なのでしょう。来年も投手戦のような気の抜けない暮らしが続きそうです。そうした中でも、大谷選手のホームランや奪三振のようなスカッとする話題を届けられればと思っています。今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。


ドリーム・ベースボールに参加した
元プロ野球選手と角田選抜チームメンバー

元プロ野球選手と対戦する角田選抜チームの投手