2017/12/1UP
学力テスト考
角田市教委が、小学6年生と中学3年生を対象に実施された全国学力・学習状況調査(学力テスト)の結果を公表しました。残念ながら、国語・算数・数学の全8教科で全国平均、県平均をともに下回りました。
小学6年は国語Aが県平均を3ポイント(全国平均を3・8ポイント)、算数Aが2ポイント(同2・6ポイント)、応用力を見る国語Bが6ポイント(同7・6ポイント)、算数Bは5ポイント(同6・9ポイント)下回っていました。応用力を問うB問題の方が、差が広がっているのが課題です。
中学3年は国語Aが県平均を3ポイント(全国平均を3・4ポイント)、数学Aが4ポイント(同19・6ポイント)、国語Bが4ポイント(同3・2ポイント)、算数Bが3ポイント(同4・1ポイント)下回る結果でした。
学力以上に注目すべきは学習環境と生活習慣で、特徴的なのが以下の点です。
①「テレビやビデオ、DVDを3時間以上見る」
小6は38・4%で県平均を4・4ポイント、全国を5・7ポイント上回る。
中3は27・7%で県平均を4・1ポイント、全国を2・4ポイント上回る。
②「テレビゲームを2時間以上する」
小6は36・2%で県平均を4・4ポイント、全国を5・1ポイント上回る。
中3は41・3%で県平均を5・1ポイント、全国を3・7ポイント上回る。
③「テレビやゲームの時間のルールを家の人と決めている」
小6は48・6%で県平均よりマイナス12・6、全国よりマイナス9・7
中3は26・2%で県平均よりマイナス9・2、 全国よりマイナス7・8
④「自分には、よいところがあると思う」
小6は68・8%で県平均よりマイナス8・1、全国よりマイナス9・1
中3は66・0%で県平均よりマイナス4・0、全国よりマイナス4・7
⑤「地域や社会で起こっている出来事に関心がある」
小6は55・0%で県平均よりマイナス12・0、全国よりマイナス8・9
中3は53・1%で県平均よりマイナス9・5、 全国よりマイナス6・1
推測できるのは、家庭でのコミュニケーションが薄く、子どもがある種放置プレイのような状態に置かれていること、周囲への関心が薄いことが浮かびます。④の自己肯定感の低さも、自己肯定感は親など周囲から注意深い視線を向けられ、叱咤激励の両面の言葉をかけられていることがベースです。だから問題は、子どもというより大人の側ではないかと思います。学テ結果を市町村単位で公表するのは、県内であまり例を聞きません。問題に正面から向き合うには、生の情報を保護者や地域が共有することが第一歩で、公表を是として広く市民に考えてほしいものです。
2017.11.5 阿武隈リバーサイドマラソン