2013/11/1UP

　角田市内に住むＳさん（65）は元トラック運転手。退職後は自宅の庭木の世話にいそしんでいましたが、３年前に脳卒中で倒れ、右半身が不自由になってしまいました。Ｓさんは奥さんと２人暮らし。リハビリや介護に追われ、庭は荒れ放題になりました。そんな旧友の苦境を見かね、一肌脱いだのが中学時代の同級生。９月末の日曜、男女１８人が鎌やノコギリを手にＳさん宅に集い、午前中いっぱいかけて庭の草木や家の周囲をきれいに清掃しました。きっかけは９月初旬に開いた同級会だったそうです。参加できなかったＳさんの事情を近所に住む同級生が打ち明け、誰彼となく「それではひとつＳ君を勇気づけよう」という話になりました。当日はデイケアで不在にしていたＳさんですが、通院先から１時間だけ自宅に戻り、久々に同級生と再会。懐かしさと感謝の気持ちで、涙が止まらなかったといいます。「お父さんと一緒に友達のありがたみをかみしめました」とはＳさんの奥さん。作業の後、同級生たちはすがすがしい気持ちで芋煮の鍋を囲みました。同級生のＯさんは「幼い頃から付き合ってきた仲間なので、喜んでくれて安心した。年も年だし、いつまでもみんなが元気とは限らない。会える時に会って、昔話で盛り上がろうよと話したんだ」と言います。卒業から５０年経ても変わらない同級生の絆。心温まる話と思い、御紹介させていただきました。