2013/10/1UP


マジックナンバー

 9月半ばの深夜。支局への電話に何事かと思いきや、酔った男性の声。「何でマジックが3つも一気に減んのだか、わがるように書がいや」。わかるかいなと思いながら努めて丁寧に応対しつつ、東北楽天の優勝が話題にのぼる日が来るなんて、と感慨を覚えました。関川、高須、川口、ロペス、山﨑、礒部、酒井、藤井、飯田。投手は岩隈。球団創設1年目、2005年の開幕戦先発メンバーです。97敗のシーズンから8年。散り際の花火のように草創期を支えたベテランが去り、田中、銀次、枡田ら若い力が育ってチームはすっかり生まれ変わりました。05、06年と取材に携わった当時、チームは2年連続の最下位。解任が決まり、最終戦でファンに感謝の言葉を述べた田尾監督。「秋風やなあ。まだ7月なのに」と試合前のベンチでぼやいていた野村監督の姿も思い起こされます。戦評で「泥沼の9連敗」と書いたら、デスクに「『泥沼』は10連敗してから使え」と指摘され、翌日しっかり「泥沼の10連敗」としたこともありました。今のチームとは隔世の感です。1974年のロッテ優勝時は実現しなかった宮城での日本シリーズ。ぜひ今年こそ。ちなみに冒頭のマジックナンバーの件ですが、「パ・リーグ規定で最終的に勝率が並んだ場合、そのシーズンで勝ち越した方が優勝となり、楽天がマジック対象チームのロッテから13勝目を挙げたために3減となった」そうです。