2010/8/1UP
お隣さん
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会社勤めといっても一般のサラリーマンと違い、基本的には一人で仕事をすることが多い支局記者。本社に顔を出すのは1年に数える程度、上司とのやりとりは電話だけというのが当たり前の感覚になり、自由な半面、どこか寂しい気持ちにもなる。そんな記者にとって大変頼もしいのが、近隣支局の存在だ。本社を除いて宮城県内には16の総局・支局があり、本紙県内版にも住所や連絡先が紹介されている。角田と同じように、ほとんどの支局が職住一体の環境で取材している◆通常は別々に活動していても、支局同士で連携する機会は少なくない。特に岩沼(岩沼、名取、亘理、山元の2市2町)、大河原(大河原、柴田、村田、川崎の4町)、白石(白石、蔵王、七ケ宿の1市2町)、そして角田は「仙南4支局」と呼ばれ、同僚記者としての意識がとても強い。仙南2市7町は広域行政の枠組みであり、岩沼支局管内を加えると衆院宮城3区のエリアと一致する。民間レベルでも市町の枠を超えた活動が目立ち、医療や買い物、レジャーといった生活圏にもなっている。ひとつの支局だけで処理できない問題も増えており、連携は欠かせない◆毎日会えるわけでないとはいえ、選挙や懸案事項についての情報交換から、最近の本社の様子、地域とのかかわり、支局生活の困り事まで、なんでも相談できる仲間が近くにいるのはありがたい。阿武隈急行とJRを乗り継ぎ、角田以外のなじみの薄い繁華街で酒を酌み交わすのも楽しい。お互い似たような境遇なので話が盛り上がり、深酒してしまうこともよくある。休暇のカバー、大規模な事件事故や災害が起きた際の取材応援などが円滑にできるのは、普段から“ご近所付き合い”を密にしていればこそだと思う◆4支局のうち、岩沼、大河原両支局の記者が今春赴任した。既に紙面を通じて活躍ぶりをご覧になった人も多いのではないだろうか。初めての単身赴任となる岩沼支局のO記者は、着任わずか2カ月で3市町の首長選挙取材を経験したからか、来たばかりとは思えないほど地域に浸透しているようだ。大河原支局のO記者は私と同期入社。一緒に仕事をするのは初めてだが、同年代の記者として良い意味で競い合えればと願っている。仙南に最も長くいる白石支局3年目のS記者はみんなの兄貴分的な存在で、4人が集まる時は大抵この人の発案によるものだ。個性的な面々がそろったなあと感心しながら、同じ仙南地方を毎日駆け回っている仲間の姿を想像し、自分も頑張らなければと気持ちを奮い立たせている。